Semana de estudiante.

世間はゴールデンウィークだというのに、彼は一日中、京都の北の方にある大学で授業を受けていた。


彼はその大学の教育学部通信制で所属しており、単位をすべて取るためには何度か実際に大学に足を運んで授業を受けなければならない。


授業は朝9時から始まるので、遠方の人は前泊したり早起きしたりと本当に大変なのだが、彼の場合は、この春から大学の近くで下宿を始めた弟の部屋に泊まることができるため、ずいぶんと助かっている。


こどもの日の今日は、下宿のすぐそばにある神社で盛大に祭りが催されていたが、そんなことは関係ない。
17:30まで授業を受けた彼は、弟の部屋に帰って明日の試験に備えて勉強をした。


彼の弟はというと、彼が泊まっている間中ずっと友だちの家に泊まりにいっている。
おかげで勉強ははかどるが、こうしていると、本当にまた大学生として一人暮らしをしているみたいな錯覚に陥る。


勉強を一段落した彼は、ぶらりと近くのラーメン屋へ。
彼の弟の部屋は大学に近く、したがって飲食店も多い。
ラーメン屋も軽く見積もっても5軒はあり、大学時代に京都のラーメンを網羅した"ラーメン大全"を作成する構想を人知れず暖めていたこともある彼の血も騒ぐ。


そうして、大学生に戻ったような気分に浸ってる間に、ゴールデンウィークが終わってしまう。


春の夜の夢のような、学生生活であった。