序章

彼は、京都に住む大学生である。


これは、彼が意味もなく日々東奔西走するのを私が事細かに記した記録である。


そして時々、私は私自身のことも書くかもしれない。
もしかすると毎日書くかもしれないし、まったく書かないかもしれない。


宣言しておくと、彼の話は真実であり、私の話は虚実がはっきりしない。
それを心得ておいてもらいたい。


かの近松門左衛門はこう言った。


「虚実皮膜」と。


真実は虚構と現実との微妙なはざまにあるのである。


あのジョンレノンがこう言った。


“WAR IS OVER! if you want it”と。


あなたが望めば、戦争は終わるのだ。



本当だろうか。


世の中、わからないことだらけである。