2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

スペイン語検定

彼は今日、遙々京都産業大学まで行ってスペイン語検定の4級を受験した。 そして、subir(登る)という単語を「下りる」と勘違いして書いてしまったことを悔やんだ。 そして嘆いた。 「京産からはゴルフ場が見える!!京都タワーは見えない!!エスカレーターが…

花の名なのな

彼はバンプ・オブ・チキンの新曲を買って、その曲があまりにもすばらしかったので、なんだか切なくなった。そうしてこう言った。 「あぁ、バンプだ…。でもなんかちょっと、声変わった??」花の名アーティスト: BUMP OF CHICKEN,藤原基央出版社/メーカー: ト…

ねこまた

彼がよく通る道に、いつもおいしそうな匂いが漂う場所がある。 それは紛れも無く“かつおぶし”の匂いで、鍋で大量に茹でられているのだろう、とてつもなく温かく、そして優しく、道行く人々を和みの境地へと誘っている。 「きっとあの家には、齢280年になる猫…

戯言

奈良線に乗っていた彼が小さく「緑の電車はきっと、パセリの味がするに違いない。」と呟いたが、私は敢えてそれを否定も肯定もしない。彼の言うすべての共感不可能な言動にいちいち突っ込んでいてはキリがないし、突っ込んでしまった時点で何故だか負けたよ…

本降り

今日は、雨が実によく降っている。 こんな日は大学内の人通りも少なく、昼休みになんらかの宣伝のために叫ぶ団体も出没しない。 彼に言わせれば、あんな奴らは自分たちが道行く人に一体何を伝えたくて叫んでいるのかもわからなくなっている、つまり叫ぶ内容…

不知人

今日、後ろの席で隣の人と何か話していた人のことを私は知らないが、きっと次男だろう。親は両方50代、兄と姉がいて、名前は義広と梨絵だ。 彼が覚えている最も古い記憶は、父親が鯖に当たって吐いている姿で、好きな音楽はミーハーなJ-POP。 趣味はスポーツ…

案内人もどき

彼は、三条でみけいぬさんと待ち合わせた。 今日はみけいぬさんの古くからの友人が遊びに来ていて、京都に出て来るというから彼は頼まれもしないのに案内役をかってでたのだった。 彼は三条通りをうろうろと不審に歩き回りながらみけいぬさんたちを待った。 …

赤黄色の金木犀

私がよく通る道に、金木犀の生け垣がある。 今、それが見事な赤黄色になっている。 踏切の音が鳴って足を止めると、道いっぱいに広がった甘く切ない匂いが私を包み込む。 私は一つ深呼吸をして、何故か少しいたたまれなくなって、遮断機が上がって、歩き出す…

のたのた探検隊

夜も更けた頃に眠った彼らは、朝の8時頃には既に目を覚まし、9時過ぎにはもう稲荷大社の鳥居を目指して出発していた。稲荷大社は彼の家から程近いところにあり、暇とエネルギーを持て余しているという錯覚に陥った彼らにとっては、そのはけ口として最適で…

四条界隈のたのた祭‏

彼は今日、彼の地元の友人と三条駅で会うことになっていた。 午後三時半頃友人と落ち合った彼は、新京極から四条通り、烏丸通りを通って新風館へ向かった。 三条通りをまっすぐ新風館へ向かわないこの計画性のなさが、のたのた祭の醍醐味であり、のたのた祭…

対決

2007年某日、嵐山にて、伝説の決戦が行われた証拠となる記念石碑ならぬ記念竹碑を発見した。 その竹碑には、こう刻まれている。 「タモリVS山中」 いったいこのふたりに何があったのか…。 そして、タモリはあのタモリだととして、山中とはいったい誰なのか。…