2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

629ロジック

今日は29日である。 どうやら29日は彼にとって思い入れのある日らしい。彼は「一年と九ヵ月か。遅いような、早いような。」と呟いた。一体なんのことだろうか。私には教えてくれない。 彼は今日大阪までフィデル・カストロにオリバーストーンがインタビ…

ポレート

彼は今まで平均3000字で四つのレポートを書き上げた。しかし彼は書かなければならないレポートをあと六つも抱えており、そのうち二つは来週火曜が締め切りであるという。 彼はうんうんと唸りながらノートに何かメモを走り書きしたかと思うと、いきなりプスン…

お暇

昨夜遅くまでレポートを書いていた彼は、朝起きて眠い目をこすると痛かった。 めばちこの兆候かも知れぬ。 次いで彼が朝ごはんを食べようとすると、口の中が痛い。 口内炎も二つできている。 「このまま1限目の講義に出ては、今後のレポート作成や勉学に差…

放屁

休日の朝だった。いつもより少し長い睡眠から目覚めたばかりの彼に、某放送協会から遣いの者が訪れた。「テレビのあるところは受信料を払え」ということらしい。 そのような話は、彼も知人から聞いたことがあった。「忙しい」と一喝し撃退した者や、押しに負…

財布のふゆふゆ

朝から容赦なく照り付ける太陽。今年の梅雨は雨が続かない。電車に乗る前、私は駅の階段で転びかけたおばあさんを咄嗟に支え、感謝された。少し嬉しくなった。 平日の朝っぱらにも関わらず、三条には人が多い。 鴨川の流れは昨日と変わらず速く、濁っている…

おしりかじり虫

今日、私が三条の雑貨屋で物色していると、男の子を連れた母親らしき人物が入ってきた。 帽子を選んでいる母親の横で、男の子が急に歌い出した。 「おしりかじり虫〜♪」 なんだそれは。 男の子がそんな歌を口ずさんでいるのを聞いた母親はびっくりして「何そ…

雨天外出に於ける思索

雨の日に出かけるときの人の格好は、大きく二つに分けられる。 ひとつは、レインコートや傘を使い、鞄もビニールの袋に入れるなどして極力濡れない格好をする人。 そしてもうひとつは、衣服は法に触れない程度の必要最小限におさえ、濡れると困る荷物は一切…

むうむう

彼はレポートに追われている。 精神的にまいってきて、むうむうと唸っているようである。

レポート

彼は追い込まれている。 レポート課題の数が彼のキャパシティを超え始めたからである。 さらに、そのレポートを書くため、週末に芝居を観に行かなければならないことが彼の閉塞感を強めている。しかも、そのレポート課題をたくさん出す講義が5分延びたこと…

梅雨と歯医者

昨日の夜から雨が降り続いていた。昨日よりは随分涼しい。 昼過ぎ頃、私は歯医者に向かった。掛かり付けの歯医者に紹介された、山科にある音羽病院というところである。山科駅から無料送迎バスが出ており、交通の便はいい。総合病院らしいどっしりとしたたた…

ななな

何故か私の部屋に虫がいっぱい入ってくる。 ちゃんと網戸にしてるというのに、これはいったいどういうことだ。 そして殺虫剤が効かない! 虫に優しいNO殺生 ムムム。

語学六月七曲がり

彼は焦っている。 今日、「SUMMER」と書かれているのを何と読むかという問題に於いて、彼は「スンメル」と読んでしまったのだ。 無論正解は「サマー」である。 自らの間違いにすぐに気付いた彼は耳を赤らめた。そしてそれが、彼ひとりが唯彼ひとりのために行…

カラーゲン

梅雨入りが宣言され、淀んだ雲が空を覆っている。雨は降っていないが、穏やかな風が湿った空気を運んでいる。彼は今、図書館の前で昼食をとっている。一見すると持参のおにぎりと生協で買ったおかずをただ食べながら一心にレポートを書いている風に見えるが…

二千円札

彼は驚愕した。今日、彼は以前したバイト代として得た郵便為替を換金に郵便局へ来ていた。 バイト代といっても3200円というごくわずかな金額である。 しかし今の彼にはそのわずかな金額がなければ買い物にもいけない。 郵便貯金にはまだ少し余裕があるが、心…

藪の中

彼は、『芥川龍之介小説集一』を読んでいる。 とりわけ、『藪の中』を熱心に読んでいる。 かと思えば、『鼻』を読んでは感心し、『芋粥』を読んでは共感し、『羅生門』に懐かしさを覚えているようである。 ところが観察していると、どうやら短い作品にしか手…