すがすが
彼は、清々しい顔で家路を急いだ。
月曜火曜にあった一泊二日の研修明けで支店に戻るのが憂鬱な彼であったが、今日は一味違った。
朝からとても忙しく、気がつけば閉店時間。
忙しいと言っても“できる仕事”なので順序だてて着実にできる、精神衛生上健全な忙しさである。
加えて今日は早帰り日。
閉店後、郵便局にお使いに行ったり昼食をとったりしているうちにもう17時であった。
難を言えば、昼食が16時過ぎだったことか。
とにもかくにも、憂鬱な気持ちを感じる事なく一日が終わった。
「やはり仕事は“ガッと働いてサッと帰る”のが正しい」と彼。
願わくば毎日今日のような日であってほしいが、明日は普通の木曜日。
そして明後日からは月末で、来週は早帰り日無しの悪夢のような一週間が待っている。
彼は、あまり考えないようにして眠った。
山積みの試験勉強や通信教育も見ぬふりをして。
またじめじめした朝が来る。