レポート

 彼は追い込まれている。
レポート課題の数が彼のキャパシティを超え始めたからである。
さらに、そのレポートを書くため、週末に芝居を観に行かなければならないことが彼の閉塞感を強めている。

しかも、そのレポート課題をたくさん出す講義が5分延びたことで教習所行きのバスに乗り遅れ、予定していた学科が受けられず彼の怒りに触れている。

その上、その講義の課題書籍を読まなくてはならないため、他の読みたい本を読むことができない彼は“穴があったら踊りたい”というようなおかしな状態になっている。