健康診断症候群

彼は今日の昼頃に大学を訪れて介護等体験に必要な身体検査を受けた。
そして彼が2ヶ月弱スペインに行っている間に、なんと約10キロも痩せていたということが判明した。
それは帰国時「多分5、6キロ痩せたと思う。」とへらへらしていた彼の予想さえ遥かに超えている。しかし、10キロも減ったにしては、あまり外見に変わりがないようにも見える。
「ボタンを外さなくてもズボンが脱げる!」と彼は豪語しているが、さては腹周りや脚などの見えにくいところにこっそりと脂肪たちを蓄えていたに違いない。

そんなことよりも、危惧すべきは彼の視力であろう。この数年で彼の視力は劇的な落ち込みを見せ、現段階で右0.8左0.5まで衰えていることが判明した。彼は少し衝撃を受けた様子であったが、「視力なんか日によって変わるもんや」とよくわからないことを言って自分を納得させていた。


健康診断を終えたあとも彼は、介護等体験に必要なお金を機械に振込んで書類を提出するにあたっても、彼が説明書をちゃんと読まなかった事が祟り、「でません!画面がでません!」と駄々をこねて職員の方に不必要な労働を強いたりしていた。

全てが終わると、彼はスペインから帰って来て初めての帰郷をするために帰って行った。