ドラえもんに関する考察

ドラえもんの声優が変わったのはもうずいぶん前のことになるが、小さい頃からずっと“あの声”に馴染んで来た私は、その“声変わり”以降、すっかりご無沙汰になってしまった。


そんな折、友人が近々最新作の映画を観に行くのだと言う。

私は、声優が変わってから好きじゃなくなった旨を伝え、さらに最新作もリメイクでここ数年ネタ切れ感が否めないと言うと、友人の顔色が変わった。


「えーなんで!?ドラえもんはすごいんやで!?四次元ポケットやで!?何でも出るんやで!?」


…確かに。確かにドラえもんはすごいし、四次元ポケットや道具は人類の夢だ。




でも!



何かが違う。
論点がズレている。
話が噛み合っていない。
そりゃ四次元ポケットは私だってほしい。
ドラえもんだって飼ってやらなくもない。




…このちぐはぐな会話はそこで終わってしまい、きっともう友人は映画を観たのだろう。
それでいいのだ。
捨てる神あれば拾う神あり。
今日はなんだか、夕日が霞んでいる。