Sugary

piedra-blanca2009-10-18

秋晴れの京都。
どこかに出かけたくなるような陽気が続いているが、彼は今それどころではない。
約一ヶ月先に迫った卒業論文がまったくと言ってよいほど進んでいないのだ。


しかも彼は、大学ではいかにも“論文推敲中!”という雰囲気を醸し出して辺りにぴりぴりした空気を漂わせるくらいのことはできるのだが、家に帰ってしまうと自分が何をやるべきだったのかさえ忘れかけてしまうという気の抜けよう。


買い物に行ってご飯を作ってテレビを見ていたらもう0時を回っているので、風呂に入って寝る。


そんな体たらくなので、ことさらレポート系の課題は休みの日にはまったく進まない。
そもそも休みの日になると彼はどこかへ行ってしまってほとんど家にさえいないのだ。


そこで彼は、集めた文献を読むためにカフェへ行くことにした。


京都は三条通富小路にあるSACRAというビルの3階にあるSugaryというcafe&cakeのお店である。


カラフルなイスが並ぶとても居心地のいいカフェでお茶もケーキもおいしく、彼がまだ食べ終わっていないカップケーキを片付けようとしたこと以外は完璧であった。
http://www.sugary.jp/






カフェに行くというのは良い案だ。
心も安らぐし、お腹も満たされ、集中もできる。
しかし彼は、文献を読めば読むほどに自分の思惑がことごとくはずれ、論文の結論が見えなくなってしまった。


ピンチである。