CUBAについて

彼は今、東京へ向かう高速バスの中だ。


明日、成田からメキシコへ飛び立つ。


もちろん、飛行機で。


彼のキューバへの関心は昨日語った。


しかし、何故、今、キューバなのか。


そして、彼はキューバで何をしたいのか。


そこのところを、少々語りたいようである。


1.まずは何と言っても、キューバは“社会主義国”だということだろう。

私たち資本主義の国に生きるものにとって、“社会主義のなんたるか”ということは教科書やマスメディアによって与えられた知識、もしくは誰かの主観的な情報でしかない。
色々なことが言われているが、実際にはどうなのか。
キューバの人々の生活を実際に見てみたい、知っておきたいのである。
さらに、革命の軌跡や現状、ゲバラの存在も彼にとっては大きな魅力である。


「少し旅行したくらいですべてがわかるとは思ってないけど、実際に行くことによって初めてわかること、感じられることはたくさんあると思う。」
と、彼は初めて見る社会主義の生活というものに関心を寄せている。


2.そして、世界遺産
キューバ国内には、ハバナ旧市街とその要塞群(1982-文化遺産)やアレハンドロ・デ・フンボルト国立公園(2001-自然遺産)をはじめ、ユネスコ世界遺産リストに登録された文化遺産が6件、自然遺産が2件ある。
中でも、ハバナサンティアゴ・デ・クーバ、トリニダーなど、街そのものが世界遺産ということに、彼は魅力を感じている。



3.文化。
奴隷貿易が行われていた時代、キューバでは黒人奴隷を使用したタバコやコーヒーのプランテーション(大規模農園)が展開されていた。
現在も白人との混血を含め国民の約75%がアフリカ系の人々の血を引いている事実からも、奴隷貿易によってつくり出された世界の構造が今も生々しく残っていることを感じさせられる。

彼は、「歴史を学び、その上に生きるものとして、その現状をこの目で確かめられるということも、キューバの魅力のひとつ」だと言う。


さらに、そういう独特の風土から生まれた文化や音楽を体感したいと思っていて、特に「街中どこでも聞こえる」という音楽には期待をしている。



4.観光産業に力を入れていること。
ソ連崩壊後は孤立した状態となり、アメリカの経済封鎖は極度な物不足へとキューバ国民を陥れた。
その対策としてキューバ政府は、観光業や輸出(外貨獲得)に力を注ぎ、兌換ペソといわれる外国人専用の通貨を導入している。
そして今日、それが大きく実りつつあるらしい。
それは本当なのか。
実際に行って感じたいのだ。


5.さらに、キューバは今過渡期にある。

革命から51年、アメリカによる経済封鎖など様々な制限に苦んだ時代が続いてきたが、2008年に就任したオバマ大統領はこれまでの2国間の関係を見直す融和施策を打ち出しているし、ラテンアメリカ全体が地域共同体として統合することを目指した動きが活発になってきている。


キューバは非常に高い医療水準、教育水準を誇っているため、他のラテンアメリカの国々に医療や教育の支援を行うなど、ラテンアメリカ統合に向けた動きの中でも重要な位置を占めていると言える。


そして何より、ゲバラとともに革命を成し遂げたフィデル・カストロが病床にあり、現在は弟のラウル・カストロが政権を握っているが、この先様々な緩和政策やアメリカの融和が続くことによって、キューバは大きく変貌を遂げることが予想される。


つまり、“革命第一世代”のキューバを体感できる時間は、もうあまり残されていない−「今しかない!」ということなのだ。



その他にも、サルサやモヒート、ラム酒など、楽しみなことはたくさんある。



iBuen viaje!