Viaje de Graduacion Cuba y Mexico - una historia para nadie

ついに、彼が明後日キューバへと旅立つ。

正確には、最初に着くのはメキシコなのだが。

彼の卒業旅行は、日程的には18日間でキューバ(10日間)とメキシコ(6日)に滞在することになっている。

彼にとっては念願のキューバである。

大学時代を通してスペイン語を学び、アレイダ･ゲバラの講演や映画『コマンダンテ』、『チェ 28歳の革命』など様々な形でキューバへの関心を深めた彼であったが、彼のキューバへの関心は高校時代にまで遡る。

高校時代に書いたWordの文章の中に、映画『永遠のハバナ』を観た感想文があったのだ。

彼自身、それを見つけて驚いたのだが、彼のキューバへの想いが少なくとも5年以上も前から続いていたということがわかる。

しかし、キューバは非常に遠く、日本ではあまりよく知られていない国である。
それゆえ、簡単に行けるところではない。

そのため、彼はかなり前から「突業旅行はキューバに行くのだ」と周りの人々に公言してきた。
そうすることによって、周りの人へのアピールになると同時に自分への戒めとなり、あきらめることができなくなる。

途中、何度も「無理かもしれない」と思うこともあったが、そうやって乗り越え、なんだか運の良さも手伝って本当にキューバ行きが実現したのだ。

さぞかし感無量だろうと思うのだが、出発を目前にして彼にはまだあまり実感が湧いていない。

いつものようにこのままぼやぼやして、直前になって徹夜で準備をするのだ。