明けたからといって

piedra-blanca2011-01-02

年始。

働き始めてからというもの、休みの日はほとんど出かけていて家にいる時間の極端に少ない彼は、珍しく家でだらだらと過ごしていた。


遅くまで起きていて遅くまで眠り、友人から電話が来ればのそのそと会いに行く。
たった四日間の、のんびりである。


12月30日まで働いて、1月4日から仕事。
就職してから初めての年末年始は、年末感もなければ年始感もない、不思議なものだった。


4日になれば、早朝から職場に出向き、会いたくもない人々に「おめでとうございます」などと何がめでたいのかもよくわからないまま挨拶をして、ルーティーンな日々が続いていくのだ。


そう考えれば考えるほどに、何が何だかわからなくなる。


そうかもしれない。
寒すぎるのだ。
こんな寒さの真ん中で、普通に働いているなんておかしくなりそうで、何が何だかわからないけれど「おめでとう」なんて喜び合って、誤魔化していかないとみんな自分を保てないのだ。
それは間違っているにしても、一年前とは、年始の挨拶の意味合いが変わっていることに、彼は気付いた。