今日はアジアン・カンフー・ジェネレーションの新譜『アフターダーク』とフジファブリックの新譜『若者のすべて』が発売される日であった。


それらを大学生協で購入した彼は、早く帰って聴きたいという気持ちのあまり生協の組合員証をカウンターに置き忘れ、取りに戻って時間を費やすなど“早く帰りたい自分”に自ら足枷をしているような状況に陥っていて楽しそうであった。


彼は家に帰ると早速それらのCDをパソコンに入れ、歌詞カードを見ながらスピーカーから流れ出す音に耳を傾け、それらの曲が一通り終わると二度目の再生ボタンを押し、今度はスピーカーから流れる音に合わせて歌いながら、しばししあわせな時間を満喫した。


彼はフジファブリックの『若者のすべて』を絶賛し、その印象を「なんかいつなのかわからない少し昔の思い出がぼんやりと思い浮かんでくるようで、わけもなく切なくなる。」と語った。

またアジカンの『アフターダーク』についても手放しで絶賛し、『未来の破片』を彷彿させるイントロや独特のどう聴いても歌詞の通りには聞こえない歌い方に酔いしれていた。


彼の批評には私もほぼ異論はない。どちらも素晴らしきものであると思う。フジファブリックに関しては久々に大きな手応えを感じたし、アジカンに関しては、明るい曲調で−私は『ファンクラブ』も嫌いではないが、やはり明るい曲のほうが聴きやすいことは確かである−その中にも現代を風刺するような、人の意識を牽制するような強いメッセージが込められていて無二の存在感を感じるものであった。


彼はあと一週間はこれらの曲を聴いてうはうはし続けるだろう。一体他に考えるべきことがないのだろうか。しあわせそうで少し羨ましい。

アフターダーク

アフターダーク

若者のすべて

若者のすべて