musica

電車に帰る人々。

彼は、電車が好きである。 と言っても、車両や路線、その歴史などに興味があるわけではない。 電車に乗っている時間が好きなのだ。 読書をするにしても、音楽を聴くにしても、何かを考えるにしても、電車に乗っているときが、一番集中できる。 毎日乗っても…

SAKANAQUARIUM 2011DocumentaLy

彼は、通6回目ぐらいの、サカナクションのライブに赴いた。 そこで買ったグッズに、山口一郎氏のサインがついていて、彼は、おおはしゃぎ。 このグッズは開封されることのない保存版となってしまった。 ライブは、9月28日に発売されたアルバム『DocumentaLy…

とげまる

彼は、スピッツの新しいアルバム『とげまる』を買った。アジカンやフジファブリックなど邦楽ロックが好きな彼であったが、スピッツのアルバムを買うのは今回が初めてである。シングルに関しては高校時代に2枚ほど買ったことがあり、テレビやラジオで流れる曲…

マジックディスク

なんだか、朝から理不尽な日であった。どうしてこんな思いをして、我慢をして、働いているのか。 働かなければならないのか。 ちょっとよく分からなくなった。 郵便を取りに行って、空を見上げる。 世界は動いている。 彼は大きく息を吸って、吸って、はいた…

musica崩壊

彼は大いに憤っている。それは、サカナクションのライブの影響によるふくらはぎの痛みが、昨日より一層強くなっているからだけではない。 彼が憤っているのは、彼が住む田舎の町の音楽シーンに対してである。 今日店に並ぶはずのアジカンとやくしまるえつこ…

海沿いと五月

「ほら、仕事とプライベートって別じゃない?」 すれ違った二人組の女性が言っていた。 当たり前である。 当たり前のはず、なのだ。 しかし彼は昨日、休日にも関わらず勤め先の“体育系イベント”に参加させられていた。 せっかくめんまるさんとも休みが重なっ…

ゴールデンスランバー

先日、彼らはTOHOシネマズ二条で伊坂幸太郎の『ゴールデンスランバー』を原作にした映画『ゴールデンスランバー』を観た。 彼とめんまるさんは原作が出た頃に読んでいたのだが、映画を観た彼の率直な感想は「なかなかおもしろい!」というものだった。 堺雅…

黒服の人

黒服の人フジファブリック 詞・曲:志村正彦 並ぶ黒服の人 空から降る牡丹雪 小さな路地裏通りで 笑ったあなたの写真を 眺めてみんなが泣いてる 見送ったとの車の 轍に雪が降り積もる そうしてるうちに消えてく 遠くにいっても 忘れはしない 何年経っても 忘れ…

深夜の彼に友人Kから電話。 友人Kにフジファブリックを薦めたのは他でもない彼で、11月にライブを観るに当たり、Kはフジファブリックを聴き込んだ。 29日のライブにも一緒に行く予定で、「これから何年かは毎年ツアーもやるやろうし、これからもっと聴き込み…

別れは突然に。

訃報 フジファブリックのボーカル・ギターの志村正彦は、 12月24日に永眠致しました。 (検査の結果は病名不詳)享年29歳でした。 謹んで皆様にお知らせ致します。 これまで志村正彦、フジファブリックを応援してくれていた方々に感謝致します。なお、葬儀に…

フジファブリック Live@RF

彼は、めんまるさんや弟、友人たちとともに、龍谷大学の学園祭にて催されたフジファブリックのライブに出かけた。 龍谷大学では、学園祭のライブがなんと無料である。 優先エリアと呼ばれるステージ近くに入れる整理券が一応配られているのだが、野外なので…

Route 9

気が短くて得をすることは、あまりない。 不必要にイライラしたり、焦ったり。 “待てる人”になりたい。いつまでも、にこにこと気長に待っていられる人に。 自分が待てないのに、“待たない風土”は嫌いだ。 物事を長期的に捉えず、すぐに結果を求める社会は生…

Nada Surf

NY出身の3ピースバンド"Nada Surf"。彼が初めてこの音楽に出会ったのは今年のNANO-MUGEN FES.であった。 Nada Surfについて、「今回が初来日であり、それを記念して初の日本盤CDが発売された」という知識しか持ち合わせていなかった彼は、「ちょっと聴いてみ…

超絶悶絶饒舌廃絶

彼は、夜の公園で悶絶した。 先週土曜まで行われていたキャンプの打ち上げの後である。 いろいろあったらしい。芝生の上でのたうつ彼に、仲間は彼にねぎらいの言葉をかける。 しかし彼にはわからない。 何が正しいのか。 人の心。 そして自分の心。 なんだか…

クロニクル

彼はフジファブリックのニューアルバム、『chronicle』を買った。 一度目に全曲を通して聴いた正直な感想は、「重い」であった。 これは、賛否両論、明暗くっきりだな、と。 彼は事前のインタビュー記事を読んでいたが、それによると今回のアルバムはボーカ…

「シフォン主義」「アラカルト」

彼は、TSUTAYAでCDを借りた。 借りるときに、レジで「オンラインクーポンをお持ちじゃないですか?」と聞かれたが、彼は持っていなかった。 しかし、オンラインクーポンさえあれば半額でレンタルできるのだ。 以前までの彼なら、そこまできて一旦引き下がる…

Nexus

我々はストレイテナーの新しいアルバム『Nexus』を手に入れた。先に発売・配信されている『Little Miss Weekend』や『Lightning』、『Black Hole』の素晴らしさは敢えて書くまでもないが、それらが随所にちりばめられ、全体で一つのアルバムとなったこの作品…

相対性理論

TSUTAYAから帰ってきた彼は、「やっちまった やっちまった」と一人で慌てた。 その手には相対性理論のニューアルバム『ハイファイ新書』が握られている。 彼が相対性理論というバンドと出会ったのは一昨日、帰省途中に彼の部屋に遊びに来た弟から『LOVE ずっ…

サーフ ブンガク カマクラ

京都に戻ってきた彼は、早速大学生協でアジカンのニューアルバム『サーフ ブンガク カマクラ』を購入した。 彼はそれを鞄に潜ませてゼミの大会に向けて仲間と話し合ったあと、そわそわしながら家に帰る。 浮き足だって家に帰ったにもかかわらず、彼はしばら…

藤沢ルーザー

雲ひとつない澄んだ空が、青さを広げている。 彼に言わせれば、今日は“スペイン日和”だ。 彼は午後から二つのスペイン語の授業を受け、幾度となくシエスタの世界に誘われた。 その度に先生に当てられドキドキしたが、これもスペイン日和に於いては必然なのだ…

冬のミルク

夕方。 彼は、地元に帰る電車の中から西の空を見ていた。赤でもなく青でもないその空は、小さい頃に見たそれと何も変わっていないように思えた。イヤホンから流れ込む『冬のミルク』は、不思議な空の色と混ざり合って静かに彼の胸を締め付けた。 夜。 彼は、…

ベリーベリーストロング

今朝、彼は海の見える老人ホームへと続く上り坂を自転車で飛ばしながら泣きそうになっていた。 耳に入れたイヤホンからは、斉藤和義の『ベリーベリーストロング』が流れている。 「おいおい、ワケわからんぞ、泣いてる場合じゃないやろ!」と彼は自分をたし…

今日はアジアン・カンフー・ジェネレーションの新譜『アフターダーク』とフジファブリックの新譜『若者のすべて』が発売される日であった。 それらを大学生協で購入した彼は、早く帰って聴きたいという気持ちのあまり生協の組合員証をカウンターに置き忘れ、…

花の名なのな

彼はバンプ・オブ・チキンの新曲を買って、その曲があまりにもすばらしかったので、なんだか切なくなった。そうしてこう言った。 「あぁ、バンプだ…。でもなんかちょっと、声変わった??」花の名アーティスト: BUMP OF CHICKEN,藤原基央出版社/メーカー: ト…

赤黄色の金木犀

私がよく通る道に、金木犀の生け垣がある。 今、それが見事な赤黄色になっている。 踏切の音が鳴って足を止めると、道いっぱいに広がった甘く切ない匂いが私を包み込む。 私は一つ深呼吸をして、何故か少しいたたまれなくなって、遮断機が上がって、歩き出す…

パッション検定

「検定に申し込んだはいいけど、夏休み前に比べて格段にすぺーん語の能力が衰えている。」 彼が誰にともなく聞こえよがしに、言い訳のようなことを呟いている。すぺーん語とはおそらくスペイン語のことで、検定とはそのスペイン語検定のことである。彼はその…

若者のすべて

彼が試聴したというフジファブリックの『若者のすべて』という曲。彼から聞いたときにはそのヘンテコな題名から思わず「変なの!」と笑ってしまったが、彼が言うにはこの曲は非常に素晴らしいものだったらしい。私も彼の影響でフジファブリックを聴くように…

ゴッチ結婚!

彼の大好きなバンド、ASIAN KUNG=FU GENERATIONのボーカル、ゴッチが結婚したというニュースを知った。しかしゴッチが「身近なプライベートや家族の話については、ノーコメントを貫きたい。我々の周りの人々にも、生活がありますゆえ。そっとしておいて頂け…