小心者の勝利

今日、大学主催による外国語の暗誦・スピーチコンテストがあった。
中国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語を対象としたコンテストで、そのスペイン語部門において、彼が優勝した。夏のスペイン語単語コンクールに続いて二度目の優勝である。


すぐに緊張する小心者の彼は、それを練習量でカバーしようと、2週間程前から四六時中ぶつぶつと呪文のように練習していた。
学内のそれほどたいしたこともないコンテストにそれほど情熱を傾けた人間が他にどれだけいたかは知らないが、おそらく彼の練習量に勝る者はいなかったであろう。まさに小心者の勝利と言える。


ということで、彼は努力をすれば“そこそこに”すごいのだということがわかった。しかし、これ以上の大会となると彼が活躍できる場はほとんどなくなると思われる。世界は広く、彼は小さいからである。


彼は、賞品の図書カード5000円分に喜んでいる。
小心者の彼には“そこそこ”がお似合いだ。