Piece of Peace

昼過ぎごろに大津PARCOに到着した彼らは、四階のイベント会場に向かった。

そこでは今、“Piece of Peace”と題されたLEGOの展覧会が催されており、膨大な数のLEGOで緻密に創り上げられた各国の世界遺産が展示されている。

彼らはタージマハルや首里城の美しさに見とれ、白川郷の合掌造りの再現力に興奮し、ピサの斜塔の傾き具合に歓声をあげて喜んだ。
中でも特に彼らを興奮せしめたのは25000ピースからなるというサグラダ・ファミリアで、壁面のざらざらした感じや数々の彫刻、そびえ立つ塔の内部などその緻密さと再現力たるや本物を上回ってしまうのではないかと心配になるほどであった。


今回展示されていたものは数ある世界文化遺産のうちのほんの少しである。
彼はそのうちの約半分に関して実際に現地に赴いたことがあったようだが、やはり実際に見たことのあるものとそうでないものとではレゴを見たときの感動が全く違うらしく、「経験は偉大なり!経験なくして人生なし!」などと小さい声で声高風につぶやいた。