友人からのプレゼント

彼は今日、大学の友人、通称アッホホから「俺と俺の彼女から」とクリスマスプレゼントを渡された。
それはクリスマスの包装紙で綺麗にラッピングされた四角い物体で、どうやら本のようである。
おもむろに彼が包装を開けようとすると、アッホホは血相を変えて「まだ開けるな！めんまるさんと一緒にあけろ！」と制止した。

夕方、彼はめんまるさんと一緒に包みを開けた。
中にはクリスマスカードが入っており、どうやらアッホホの彼女の手づくりらしい。緑と黒地に、黄色の紙を“MERRY　CHRISTMAS”の形に切り抜いて貼ってあり、真ん中の赤いハートの中に二人の似顔絵がある。カードを開くとそのハートと似顔絵が飛び出すつくりになっているのだが、特筆すべきはその似顔絵である。
飛び出すハートには、なんとアッホホとその彼女の、つまり送り主たちの似顔絵が堂々と腰を据えていたのだ。
よくわからないが、普通はハートの中には贈る相手カップルの似顔絵を描くものではないだろうか。
仮に自分たちを描くにしても、カードのど真ん中にでかでかと、しかもハートの中に描くなどという発想が、未だかつてあっただろうか。
しかもその二人が飛び出てくるのだ。
年賀状の「わたしたち、結婚しました」の比ではない。
そんなラブラブっぷりを不意に見せつけられれば、史上稀に見る不思議な気持ちに包まれること請け合いであり、彼とてその例外ではない。

アッホホ氏は、自身の策略の成功に頬を緩め、「嫌がらせや」と呟いた。

さらに、そのクリスマスプレゼントの中味はというと、さすが我々の期待を裏切らない、充実の『ウォーリーを探せ』シリーズ３冊セットであった。予想外の方法で彼の想像を超えていくアッホホカップル。
彼は「なんじゃこりゃあ！！わけわからん！！」と声を荒げたが、めんまるさんによると既にこっそり二、三人のウォーリーを探していたらしい。