libros y comics

ゴールデンスランバー

先日、彼らはTOHOシネマズ二条で伊坂幸太郎の『ゴールデンスランバー』を原作にした映画『ゴールデンスランバー』を観た。 彼とめんまるさんは原作が出た頃に読んでいたのだが、映画を観た彼の率直な感想は「なかなかおもしろい!」というものだった。 堺雅…

『絵のなかの散歩』

「他のことは何でも疑ってみることもできるが、美しいものが美しいという事実だけは疑いようがない。絵というものの有り難さであろう。」 なんだか、この言葉がとても崇高なものに感じられた。 絵のなかの散歩 (新潮文庫)作者: 洲之内徹出版社/メーカー: 新…

『blue』

9月。もう夏が終わる。 学生時代最後の夏が、あまりにも早く、呆気なく過ぎてゆく。 切なさはおろか、焦燥さえ感じる間もなく、時は転がっていく。 先日、めんまる氏が誕生日を迎えた。彼はめんまる氏に、新しい眼鏡と中村佑介の画集を贈ったそうだ。 アジ…

書を抱えて山を見る

大学生活最後の年の、前期テストが全て終わった。 明け切らない梅雨の、何とも言えない湿度と熱気にくるまれて、彼は大学から帰れないでいた。 それは、"やらなければならないこと"であり、"早くやり始めたいこと"であり、それでいて"億劫なこと"でもある。 …

iFeliz cumpleaños!

彼が22歳の誕生日を迎え、数人からプレゼントをもらった。 まず、めんまるさんからもらったのは、彼が最近「絵が描きたい」としきりに口にしていたことを考慮したと思われる“水彩色鉛筆セット”とバースデーカード、そして立派な手作りケーキである。 彼はプ…

『偶然の祝福』

小川洋子『偶然の祝福』を読み終えた。 実に実に、不思議な物語であった。 私には少し、難しかったのかもしれない。 小川氏の語り口は非常に穏やかで、それでいて繊細である。 それはもう触れれば壊れる飴細工のようで、読みながら何度も感嘆のため息をつい…

衝動買いの社会

大学の生協で、小川洋子『偶然の祝福』と宮沢賢治『銀河鉄道の夜』を買った。 完全に衝動買いである。大学生活も残り少なくなった今、なんだか時間の有限というものを改めて感じているのだ。 そして何故だか無性に、本をたくさん読まなければならないという…

ラッシュライフ

ラッシュライフ。 その名の通り、rushな人々のrashな人生がlushに入り組んでいる。ラッシュライフ (新潮文庫)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/04/24メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 133回この商品を含むブログ (805件) を見る泥棒…

マンガミュージアム

予報が外れて晴天が広がった日曜日の午前。 彼とめんまるさんは、大学生の間に一度は行ってみたいと思っていた、京都国際マンガミュージアムを訪れた。 「読みかけたまま途中で止まってるマンガがいっぱいある!」 と意気込んで入館しためんまるさんであった…

天使と悪魔

彼は、公開日の今日、ダン・ブラウン原作、ロン・ハワード監督の『天使と悪魔』を観に行った。 率直な感想としては、エンターテイメント作品として、非常によくできた面白い映画であった。 彼は原作を読んでいたが、読んでいない人でも−少しばかり難しい部分…

アジア系『聖☆おにいさん』

心斎橋の書店で、どこの国かはわからないがアジア系の人々が、大興奮しながら日本の漫画『聖☆おにいさん(セイントおにいさん)』を大量購入していた。 彼らはツアーで訪れたと思われる中年男女のグループだったのだが、男性も女性もひどく興奮して口々に大…

友人からのプレゼント

彼は今日、大学の友人、通称アッホホから「俺と俺の彼女から」とクリスマスプレゼントを渡された。 それはクリスマスの包装紙で綺麗にラッピングされた四角い物体で、どうやら本のようである。 おもむろに彼が包装を開けようとすると、アッホホは血相を変え…

缶詰

名古屋から帰ってきた彼は、ここ二日ほど宿題漬けになっている。昨日は河原町のスターバックスに7時間ほど籠もり、今日は一度大学に行ったが閉ざされたドアに返り討ちにあったため、家に籠もってむんむんと画面に向かった。しかしやはり家には強敵が多く、特…

誰かの日常

荒れている。 部屋が思いの外荒れている。 今朝、年末年始のバイトを終え、一日で昼夜逆転生活を直すためにずっと起きているつもりが、意識を失い、気づけば16時。 夢か現か解せぬまま部屋をうろつくも、そこは孤独の世界。 昨日、米が尽きた。 財布を見れば…

有頂天アニバーサリー

彼はお酒も少しは嗜む。かなりいけるクチだと自分では豪語しているが、あまり多く呑んだことがやまだかつてないためその信憑性は極めて低い。 この日彼が呑んだのは“電気ブラン”なるお酒なのだが、偽電気ブランの方が有名になってしまった今となっては、本物…

アヒルと鴨のコインロッカー

彼の弟が、映画『アヒルと鴨のコインロッカー』を観るために京都まで出て来た。 『アヒルと鴨のコインロッカー』を彼の弟に勧めたのはほかならぬ彼だ。しかしその彼以上に、彼の弟は伊坂幸太郎にどっぷりとのめり込んだ。小説を片っ端から読み、映画化された…

もやしもん

彼は『もやしもん』というマンガを弟に借りて持ってきたらしい。昨日からずっと読みふけっているが、それももう最新刊の5巻にさしかかり、少し寂しい感じを醸し出している。 あ、かもされている!! 菌がかわいくてとてもおもしろいらしい。もやしもん(1) (…

レポート再び

彼はもくもくと勉強している。 昼休みだというのに、彼はおにぎりをもぐもぐさせながらテスト課題にもなるというプリントの山を読み耽っている。 彼の体調は、ようやく快方に向かっているようである。しかし、彼はそれがわかるやいなや次のレポートに取り組…

Le alegra

彼は喜んでいる。彼は、『ピューと吹く!ジャガー』の最新巻を約半年ぶりに手にできたことをひそかに喜んでいる。しかし彼は、口の中の痛みがまだ無くなっていないことを忘れたわけではない。彼は、口の中の痛みを気にしながらひそかに喜んでいる。ピューと…

藪の中

彼は、『芥川龍之介小説集一』を読んでいる。 とりわけ、『藪の中』を熱心に読んでいる。 かと思えば、『鼻』を読んでは感心し、『芋粥』を読んでは共感し、『羅生門』に懐かしさを覚えているようである。 ところが観察していると、どうやら短い作品にしか手…