semana de oro

ゴールデンウイークの初日、彼は電車で地元へ帰り、友人たちと飲んだ。


二日目は高校のときの先生を訪ね、リノベーションされた“おされ"な家で隠居生活を送る先生と話に花を咲かせた。


三日目はめんまるさんの実家でバーベキューをし、めんまるさんの両親や姉夫婦総出で小学校の遊具で子どものように遊んだり花火を見たりして全員疲れ果てた。


四日目は弟と共に京都へ戻り、四条や三条をやたらとうろうろした。


五日目は弟と共に心斎橋へ行き、弟を見送ったあとで高校のときの先輩たちと合流し、「食事というものは本来楽しく食べるべきものなのに、どうしてこんなに苦しんで食べているのだろうか」と言うほどたらふく食べた。
既に財布の中に寒風が吹きすさんでいた彼は、先輩たちの体育会系チャリティ精神によって、“帰る金が無い"という壊滅的状況を免れた。
その後彼は、予定にはなかったが一人の先輩の家に泊まりに行き、ゲームや会話に興じて翌朝06:30〜09:00頃まで眠りについた。


こうしてゴールデンウイークが明け、彼に残ったものは楽しい思い出と激痛の口内炎5つ、そしてからっぽの財布である。


財布の中がすっからかんになった彼は、同じくいつも淋しい財布を有する友人と「腹減ったなぁ」「ひもじいなぁ」と絵に描いたような貧乏学生を図らずも演じながら午後の講義を受けた。
講義の後にダイエーに行った彼らは、彼らの所持金で買えるものの少なさに絶句し、試食の肉的なモノを貪って少し腹を満たした。