休講ムーンウォーク

piedra-blanca2009-05-23

京都市の多くの大学で休講措置がとられた週末、四条〜三条は暇を持て余した学生で溢れていた。

そんな中、彼も例に違わずことごとく狂った予定を持て余し、友人と木屋町のバー“MOON WALK"へ行った。


MOON WALKでは、豊富な種類のカクテルだけではなく、客が好みのカクテルや色、味、雰囲気などを告げるとオリジナルのカクテルを作ってくれるのだが、彼は今までそれを試したことがなかった。
しかし今回初めてMOON WALKを訪れた彼の友人は、豊富過ぎるメニューから最初の一杯を決めることが出来ず、このシステムを活用した。
その注文がこれである。


「色が綺麗で…初恋じゃなくて、二回目の恋みたいなカクテルを。」



…「カッコイイーー!」彼は、あまりの唐突さといさぎのよさに、思わず吹き出してしまった。
店員さんも「なかなか難しいですね…」と苦笑いである。



そんな友人に届けられたのは、ピーチの香り漂うさっぱりした甘さの綺麗なカクテルであった。
その友人は、「この恋はこのカクテルのように甘くなるということか!!」と自らの恋の行方を占って手放しで喜んでいたので、彼はにこやかにそれを見守った。


その後、彼らは友人の片想いの行方や“いい人"は“どうでもいい人"かなどの話題で熱く語り合い、終電で帰ったという。