一瞬

四条河原町、OPAの横にある路地にて。
ふと空を見上げると、ビルの間の狭い空に飛行機雲が一本のびていた。

「こんな狭い空から丁度飛行機雲が見えるとは!」
私は嬉しくなって写真を撮った。


しかし、カメラで画像を確認した後もう一度空を見上げると、それはもう影も形もなくなっていた。
あの飛行機雲はきっと風に流されて行く途中、私が見上げた空の中を通りかかったのだろう。
私はなんとなく“一瞬”の重さ、大切さのようなものをしみじみと感じて、ゆっくりとその路地を抜けたのだった。