Vamos a 献血
献血とは、自らの生命を感じるための儀式である。
我々は時に、自分という存在を、心と身体の表面だけで認識してしまうことがある。
肉、内臓、骨、血…人間を形成するための必要不可欠な要素を忘れてしまいがちな我々に、献血はその存在を呼び覚ます。
針が刺さるときの痛みに「生きていること」を実感し、管を通って流れ出す血潮に自分の中の「内なる生命」を再発見する。
それこそが献血の極意。
そしてたまたま、それが誰かの役に立つ。
自分が内なる生命を確認する行為が、誰かの生命を救うことになり得るのだ。
それは不思議だ。
今日、今月二回目の献血に来た私は、腕と管とを繋ぐ太い針が刺さった場所が脈打つのを感じながら、ふとそんなことを考えた。
〜そうだ、献血行こう(夏)〜