超絶悶絶饒舌廃絶

彼は、夜の公園で悶絶した。


先週土曜まで行われていたキャンプの打ち上げの後である。


いろいろあったらしい。

芝生の上でのたうつ彼に、仲間は彼にねぎらいの言葉をかける。


しかし彼にはわからない。


何が正しいのか。


人の心。


そして自分の心。


なんだか全部わかっているつもりでいたのだ。
なんだか自分がすごくしっかりした“大人”だと思い込んでいたのだ。
絶対的にそうでないのは分かっているが、相対的にも違ったのかもしれない。
とにかく分からなくなったのだ。


一体何をやっているんだろう。
自問するが答えは出ない。


思春期の再来かと思うほどの悩み方である。
いや、モラトリアム真っ盛りと言うべきか。



しかし、本質的な部分は変わらないとしても、その周りにある様々な細々した悩みを、彼はすぐに忘れる。


「忘れっぽいネガティブな楽天家」


それが彼である。




そんな最近の彼は、今まで何とも思っていなかったフジファブリックの『バウムクーヘン』が妙に心のどこかにはまっている。

何をいったいどうしてなんだろう
すべてなんだか噛み合わない
誰かぼくの心の中を見て 見て 見て

言葉では伝えられない 僕の心は臆病だな
怖いのは否定されること 僕の心は臆病だな

チェッチェッチェ うまくいかない

チェッチェッチェ そういう日もある

チェッチェッチェ つまづいてしまう

チェッチェッチェ そういう日もある


言葉では伝えられない 僕の心は臆病だな
怖いのは否定されること 僕の心は臆病だな


きっとそういう心境なのだろう。


そこから抜け出すのも沈んでいくのも、彼次第だ。

CHRONICLE(DVD付)

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