piedra-blanca2010-06-05

彼が朝起きると、寝るときに着ていたはずの服が半分脱げていた。


詳しく言うと、左右の袖に腕は通したまま、裾はめくれ上がって首の後ろにあり、お腹が完全に出ているような形で、前から見ると両肩から下だけ服があるという状態である。


意味がわからない。


ただ、彼が寝ている最中に服を脱いでしまうことは日常茶飯事で、今週も3回ほどそういうことがあった。


朝起きたら何故か上半身が裸で、着ていたはずの服が床に落ちているのだ。


多分、暑くて脱ぐのだろうが、朝方の冷え込みで風邪を引きかけることもしばしばで、真冬にでもやってしまった日には寒さで目が覚めるという、困った習性である。



それはそうと、彼は、休みの日の実家の二階が好きである。

階段を上ると、午前の陽射しで温められた柔らかい匂いがして、なんとも懐かしいような安心するような気持ちになるのだ。


しかし、休みの日に家でごろごろしていることをよしとしない彼は、その匂いを軽く楽しんだあと、ぶらりと出かける。


京都にいたころなら“ぶらり”の範囲も広く、交通の便も良かったため選択肢も多かったのだが、地元に帰って来てからはいかんせんその田舎ぶりのため、まだその楽しみ方を掴みきれていないようである。


試験勉強もないせっかくの休みの日をおもいっきり楽しむには、どこにいけばいいのか。


などと考えながら、そこはかとなく休みを満喫している彼である。