休日らしい休日
今日の彼は、これでもかというくらい、休日らしい休日を過ごした。
午前中を優雅に布団の中で過ごした彼は、昼過ぎに公園へと向かった。
そこで待ち合わせていた友人と、キャッチボールをする。
彼が誰かとキャッチボールをするなど、高校時代に弱小軟式野球部で爽やかに見えなくもない汗を流していた頃以来ではないかと推測される。
したがって、なまりきった彼の肩は明日、必ず悲鳴をあげるだろうということは想像に難くない。
キャッチボールを一段落した彼らは、もちろん言葉のキャッチボールも忘れない。
主に、仕事の愚痴である。
一通り愚痴り終わった彼らは、原付きで山に向かった。
オフロードとも呼べなくはない、一応舗装された細い道を登る。
「本当はこんなところ原付きで走ってはいけないのではないか」という疑問も過ぎりつつ、落ち葉や砂利に気をつけてぐいぐい登ると、不意に視界が開け、展望台の東屋が建っていた。
海も空も青いし、木々の緑は明るく、蝶も鳶も、燕も飛んでいる。
彼はなんだかうれしくなった。
景色がいいことだけが取り柄の彼の町には、まだまだ彼の知らない絶景スポットがあったのだ。
30分ほど景色を堪能した彼らは岬をぐるっとまわって帰り、これからビアガーデンに行くという友人とめんまるさんの家に行く彼は16:30頃に別れた。
彼は一旦家帰って風呂に入り、海岸沿いをとばしてめんまるさんの家へ。
めんまるさんはまだ仕事から帰って来ていなかったが、一歳と少しばかりの甥っ子と遊んだり、めんまるさんのご両親といろいろな話をしたりして楽しく過ごし、めんまるさんの帰宅後に晩ごはんをご馳走になった。
これが彼の、“休日らしい休日の過ごし方”である。