ゆとり。

piedra-blanca2010-08-10

至福の早帰り日。


帰り道で、昨日帰省してきた弟に服を買ってやる。
いい兄っぷりを遺憾無く発揮する彼。


湿った空気がゆっくり動き、空を見れば雲の切れ間から陽が差している。


悪くはない。


漫画を一冊買おうと、少し遠回り。


時間にゆとりがあるのはよいことだ。
心にも余裕ができる。


複合型商業施設の本屋に入り、目当ての漫画を見つける。

そこで、彼はある問題に直面する。


そして結論を出す。


「500円も、持ってない。」



財布にゆとりがないのは悲しいことだ。

心にも余裕がなくなる。


しかし、彼は見つけだした。
鞄の奥底、銀行の封筒に入った小銭を。


彼は、駄菓子屋に行く小学生の如くその小銭を握りしめ、レジにならんだ。


心にゆとりを。


課題は見ぬふり。