直島 De repente
直島。
安藤忠雄による建築の地中美術館があったり、草間彌生のかぼちゃや、他にも様々な美術館がある、非常にアートなイメージの直島。
しかしなんだかいつも人でいっぱいな印象があるし、そもそもどこにあるのかもよく知らない。
生きているうちに一度くらいは訪れてみたいものだけれど…。
そんな直島に、なぜ彼がいるのか。
理由はこうだ。
1.「めんまるさんと休みを合わせて、どこか旅行に行こう」と思い立つ。
2.“距離がちょうど良い”という理由で、何となく岡山に決める。
3.岡山駅前のバス乗り場で、“直島行きのフェリー乗り場へは1番乗り場から”という表示を見つける。
4.「え!直島って岡山から行けるん!?じゃあ行こう!!」
5.バスに乗る。
6.フェリーに乗る。
7.直島到着。
単純明解にして理解不能である。
そうして、実に、実に“なんとなく”直島に降り立った彼らであったが、直島の持つ圧倒的なエンターテイメント性を目の当たりにして、到着1時間後にはもう「絶対また来たい!」と断言するほどまでに完全に虜になってしまった。
建築と一体となり、そのコンセプトを徹底して貫く地中美術館。
前衛的で、五感以上のものを刺激されるベネッセミュージアム。
“古民家を改造したアート”という言葉では説明にならないほど、心揺さぶられるイエプロジェクト。
期待を裏切らないかぼちゃ。
のんびりした時間が流れるカフェ。
彼は、「生きているうちに一度」などと言っていた自分が、なんだか笑えてきた。
そうして、「今日行こう」と思い立った自分を、手放しで褒めてやりたくなった。
「人生の中で“大人”と呼ばれる時期に入ったのなら、少しでも早く、この“直島という経験”をするべきだ!!」
とは、興奮した彼の譫言であるが、それほどまでに、彼にとって衝撃的な経験になったようである。