お昼のひととき

4月から外交に出た彼は、毎日時間に追われている。


朝は外に出る準備に追われ、
昼は客との約束やその日の予定を消化するのに追われ、
夕方は一日の締めの作業に追われ、
更に、支店長の“残業コスト削減”の方針に追われ…。


連日の追いかけっこに、ギリギリで逃げ切る、もしくは捕まって仕事を残したまま帰らなければならないという状態である


時間のやりくりに関して未熟者の彼には、今までのように支店の食堂でのんびり昼食をとっている暇などない。

そこで、最近彼はもっぱら、おにぎりを持参するかコンビニでパンと野菜ジュースを買い、コンビニの横か公園で食べるというスタイルを採っている。


晴れた日には木陰にふくそよ風が気持ちよく、気分転換ぬもなる。


ただ、気持ちがいいのは今だけである。
夏になれば外にいられないほど暑くなるし、その前には梅雨もある。


それを何とかするためには、時間調整能力を向上させるか、近くで屋根のある公園かなにかを見つけることが急務である。


しかし、支店の食堂で誰かと会うよりは一人でのんびり休憩できたほうがいいと感じている彼は、後者の