赤黄色の金木犀

私がよく通る道に、金木犀の生け垣がある。
今、それが見事な赤黄色になっている。
踏切の音が鳴って足を止めると、道いっぱいに広がった甘く切ない匂いが私を包み込む。
私は一つ深呼吸をして、何故か少しいたたまれなくなって、遮断機が上がって、歩き出す周りの足音につられて、あの唄を口ずさみながら、また歩き出す。


…なんていうことを、隣に住んでいる多分若い男の人が、自分の日記に付けてたりしたらさぞおもしろいだろうに。

彼の家には、夜な夜な野良ネコが遊びに来て、にゃあにゃあとかわいくて仕方がないそうだ。

あまりにかわいいそのつぶらな瞳に負け、時折ししゃものしっぽなどをやったりすることもあるのだとか。



赤黄色の金木犀

赤黄色の金木犀