天使と悪魔

彼は、公開日の今日、ダン・ブラウン原作、ロン・ハワード監督の『天使と悪魔』を観に行った。


率直な感想としては、エンターテイメント作品として、非常によくできた面白い映画であった。



彼は原作を読んでいたが、読んでいない人でも−少しばかり難しい部分はあるだろうが−問題なくストーリーに入って行けるだろうと感じた。
状況の設定や説明が秀逸で、物語の進行がスピーディーでダイナミックな点、そして引き込まれるミステリーの部分(ややサクサク進みすぎる感もあるが)でも、万人が楽しめる作品である。


しかし今回の『天使と悪魔』、前作の『ダ・ヴィンチ・コード』よりも、原作と比べてかなり思い切った構成がなされている。

あえて比較すれば、原作にあった様々な設定をバッサリ省き、宗教的・科学的要素をガクーンと浅くして、エンターテイメント性をドカーンと高くした揚げ句、どんでん返しでバターーン!といった感じだ。


撮影時点ではヴァチカンが拒否したのに、完成後は褒めたという逸話もこの宗教的部分の“粗さ"なら頷ける。
映画が終わった後に腑に落ちない=映画では描ききれなかった部分も少しあった。


「いろんな意味で、映画を観てから原作を読んでも十分楽しめるようなつくりになっていたと思う」と彼は言う。


観るべし!

読むべし!

『天使と悪魔』


「それにしても、気が散って仕方なかった…。」

彼は振り返る。

「隣の隣に座っていた若い女性の足がメチャメチャ臭かった…。」