2009-01-01から1年間の記事一覧

スペイン語

彼は久々にスペイン語の授業に出た。 夏の間にかなり忘れてしまっている自覚があったので、久しぶりにスペイン語に触れてみるのは少し勇気がいった。 勇気はいったが、実際授業に出れば勇気云々は関係ない。 授業を受けるだけである。 そうして彼は、やはり…

白にょろ黒にょろ

唐突に宝屋のラーメンが食べたくなったので、私は京阪電車に飛び乗って三条先斗町へ向かった。 宝屋の宝ラーメンは豚骨ベースのまろやかなスープにちょうどいい茹で加減の細麺が入り、そこにとろとろのチャーシューとメンマ、刻んだネギとキクラゲがのった絶…

熱が出たら病院へ!

シルバーウィークの最後の日であった昨夜、彼は自室のふとんで熱にうなされていた。 学生時代最後の夏。 「すべての日に予定を入れる」 という目標を掲げて生きてきた彼の、正に夏休み最後の日が昨日である。 巷ではインフルエンザが猛威を振るっているが、…

勇気

彼は勇気を振り絞った。 彼は頑張った。 彼は正しい選択をした。 彼は人生で初めて、まともに人を振ったのだ。 彼は疲弊した。 しかし、彼は人生において大切なものをまもったはずだ。 今彼は、友人とともにマックで震えている。

鎌倉グッドバイ

鎌倉に着いた彼は、なんだかとても長い間旅をしてきたような気持ちになった。 グッズショップでいくつか江ノ電グッズを買い、駅前をぼんやり見渡す。 繰り出す人が溢れてはいなかったが、なにかしらの風情を感じとることができたようだ。 そして、疲れにまか…

長谷サンズ&由比ヶ浜カイト

8曲目の長谷サンズと9曲目の由比ヶ浜カイトに関しては、彼は駅に降り立たなかった。 極楽寺で完全にハートブレイクしてしまったのである。 そういうわけで、長谷寺ににも由比ヶ浜にも馳せ参ぜず仕舞いとなった。 「せっかく鎌倉まで来たのにもったいない」と…

極楽寺ハートブレイク

7曲目、極楽寺ハートブレイク。 彼は稲村ヶ崎駅から徒歩にて極楽寺駅へ向かった。 しかし、小雨降る夜の道は暗く、進んでいる方向が合っているのかどうかわからない。 なかなかたどり着かないだんだん不安になってきた彼のもみあげからは汗が滴り、ここ数日…

稲村ヶ崎ジェーン

6曲目 稲村ヶ崎ジェーン。 海辺のファーストキッチンを後にした彼は、そのまま海岸沿いを歩いて稲村ヶ崎に着いたが、もう日も暮れてドルフィンスルーもへったくれもない。 さらに稲村ヶ崎駅で彼の目の前で電車が出てしまったため、とりあえず極楽寺まで歩く…

七里ヶ浜スカイウォーク

5曲目は七里ヶ浜スカイウォーク。時刻は17:30。 まだ5曲目かと彼は肩を落としたが、それは江ノ電を甘く見て献血に行った彼の自業自得と言えよう。 雲だらけの曇天に、完全にあてのある歩行を楽しむ彼。 霞む江ノ島を背中に、海沿いを行く。 七里ヶ浜高校から…

腰越クライベイビー

4曲目は腰越クライベイビー。江ノ島〜腰越間は江ノ電が路面電車になる。 萬福寺をちらりと見た彼は、海へ。 遠くまで凪いだ海は、今日は白い空とどこかで交わっていた。 腰上まで波に浸かるには寒すぎる天気なので波間に浮かぶ瓶を少し探してみて駅へ戻る彼。…

江の島エスカー

3曲目は江ノ島エスカー。駅を出た彼はなんとなく人の多い左方面へ進み、にわかに観光地ちっくな商店街を通って海へ出た。 そして、陸繋島である江ノ島のトンボロを歩いて初めて江ノ島に上陸した。 江ノ島には猫が多い。 江ノ島をずんずん進んで、揺れるエス…

鵠沼サーフ

2曲目は鵠沼サーフである。駅を出ると人も少なく、店もほとんどない。 ひっそりと賀来神社が佇む。リアルに「リアルになんもねぇ」感が漂う良い駅であったと、彼はなんとなく満足した。 次に乗った電車は、江ノ電のイメージカラー、緑の電車である。

藤沢ルーザー

藤沢駅に着いた彼は、3番線のホームから湘南ライナーを見送って江ノ電へ。 あいにくの天気で真昼の太陽もけだるさもないが、初めて見る江ノ電に彼は興奮を隠せない。 降りてくる中高生の波をかきわけ、観光客丸出しの雰囲気を醸し出しながらカメラのシャッタ…

献血追記

横浜の献血ルームでは、成分献血の粗品として“あきたこまち750g”が選べたらしいのだが、彼は迷った末にプーさんのエコバッグを選んだ。 これからそれを背負って江ノ電に乗りに行くことを考えれば当然の選択なのだが、「究極の選択だった…」と彼は振り返る。 …

献血日和 雨

今日彼は、アジカンのアルバム『サーフ ブンガク カマクラ』に登場する江ノ電沿線の駅を巡る散歩をしようと目論んでいる。 そして、深夜0時過ぎの夜行バスで京都へらしい。 しかし。 横浜駅に着いてまず彼がしたことは、荷物をコインロッカーに預け、西口近…

散歩地獄

今日は一日時間があったので、彼は弟やいとこと連れだって街へ繰り出した。 しかし…昨日とは打って変わって半分夏を取り戻したかのような陽射しと、昼過ぎの原宿の人の多さにやられ、すぐに退散。 新宿でもぐるぐると歩き回って疲弊し、いくつかの店でちょろ…

二日連続アーチェリー

彼は今日もアーチェリー観戦に出かけた。 11時頃に大井競馬場前駅近くの陸上競技場に着くと、彼の弟の所属するチームは見事に一回戦突破を決めた。 しかし。 喜んだのもつかの間、健闘むなしく二回戦で敗退。 予想外に時間を持て余した彼は、母と観光に出か…

不調

なんだか、疲れてしまった。 誰にも会わず誰とも話さず ただ、疼く歯の痛みに背中を丸めながら、静かに苦しむだけの一日を過ごしたい。 そんな天気。

急上京

朝早く新宿西口に着いた彼は、バスから降りて東京の空気を味わった。 とにかく急な上京で、バスのチケットを取ったのも一日前である。 そしてなんと、母親を伴っての上京である。 目的は、彼の弟の試合観戦。 彼の弟は、アーチェリーという、一歩間違えば人…

『blue』

9月。もう夏が終わる。 学生時代最後の夏が、あまりにも早く、呆気なく過ぎてゆく。 切なさはおろか、焦燥さえ感じる間もなく、時は転がっていく。 先日、めんまる氏が誕生日を迎えた。彼はめんまる氏に、新しい眼鏡と中村佑介の画集を贈ったそうだ。 アジ…

渡鹿日記 最終日

桜島が噴火しています。 最終日、晴天に恵まれました。

渡鹿日記 四日目 1

今日は、朝から釣りです。昨日手渡されたエサと、サビキのセットを持って近くの船着き場へ。 しかし、釣りのブランクゆうに10年のぼくには、なにもかもちんぷんかんぷんでどこをどうしてよいのやらわかりません。「まあ繋げばいいや」という考えのもと仕掛け…

渡鹿日記 三日目 2

天文館あたりで、お土産をたくさん買いました。 いつも、誰に何を買うのかあまり考えずにお土産を買ってしまうので、足りなくなったり余ってしまうことがあります。 少しうろうろしたあとは、鹿児島の老舗デパート山形屋で恒例となりつつあるトイレタイムで…

渡鹿日記 三日目 1

今日は鹿児島本土に行きます。 道端では、おばあさんが灰を集めています。 今日は桜島が全然見えません。 曇っているからなのか、それとも灰が降っているのか。 なんだか、日常的に灰が降るなんて不思議です。 今日も灼熱です。真夏です。 天文館のはいから…

渡鹿日記 二日目 1

拝啓 夏の空模様 今朝は8時に起床しました。 朝食は、ごはんと冷蔵庫の納豆と豆腐です。ご飯を食べたら、バスに乗って福祉センターへ向かいます。 しかし、昨日からおばあさんが「福祉センター」「シュンサイカン」と二つの名前を持ち出すので、バスをどこで…

渡鹿日記 二日目 2

午後は、福祉センターで踊って過ごしました。 おばあさんの友人たちが続々と福祉センターを訪れてくるものですから、一人増える度に三味線を披露し、みんなで踊り、気づけば16時でした。 おばあさんたちの話題は、今日来るはずだった人が昨日交通事故で入院…

渡鹿日記 初日 3

夕方、フェリーに揺られて桜島に着きました。そこでぼくを待っていてくれたのは、去年桜島で出会ったおばあさんでございます。 そのおばあさんが「なんにもないとこだけど、田舎に帰ると思って遊びにおいで」と言ってくれたので、そのお言葉に甘えることとな…

渡鹿日記 初日 2

とにかく暑いのです。予想外の暑さです。天文館通まで歩いてきた私は、ラーメン屋を探して右往左往。鹿児島ラーメン豚とろという店に目星をつけて来たところ、なかなかの行列具合。 こってりしていて、チャーシューがもうとろけて仕方がないのです。 食後は…

渡鹿日記 初日 1

拝啓 朝もやの向こう側。 7時過ぎに鹿児島中央駅についたぼくは、市電に乗って早速フェリー乗り場へ。駅周辺やフェリー乗り場は、通学の生徒たちで溢れております。 荷物をコインロッカーに入れたぼくは再び鹿児島の街へ。近くのドルフィンポートを目指そう…

渡鹿日記

今、彼は鹿児島に向かう夜行バスの中にいる。 月曜からの三日間、彼はその資金を貯めるためにアルバイトをしていた。内容は、彼の通う大学が行った高校生向けの合宿プレゼン企画において高校生のプレゼン準備を補助する、というものである。 少し聞いただけ…